  
  
  
|
|

三橋クラブの面々。左から三橋さん、木稲さん、藤沼さん
■赤村で新しい農業に取り組む方々に集まっていただき、これからの農業について語っていただきました。
三橋さん「赤村は、「DoYou農」というイベントをやって農業体験を呼びかけているので、農業をやりたいという方々に広く門戸を開いているんですね。そのひとつが農作業支援チーム「三橋クラブ」です。こちらの若い二人は三橋クラブの優等生です。二人とも別に仕事を持っているのですが、本当に熱心に農業にも取り組んでいます。」
木稲さん「私が農業を始めたのは、こどものアトピーがきっかけでした。それはひどくて、いろいろな病院に通いました。これは食べ物から改善していくしかない!って思ったんですね。ところが、農薬や化学肥料を使わない農作物はなかなか手に入らない。それなら自分で作ってしまえって・・・。」
藤沼さん「僕の場合は子供会で収穫体験がさせたくて、それで収穫できる作物を作り始めたのがきっかけです。こども達が入る畑だから、できる限り農薬とかは使いたくなかったんです」
■有機農業を目指すのは大変ではありませんでしたか?
木稲さん「こどもの健康のことを考えたら、そんなこといってはいられません。ちゃんと育てられた野菜や米を食べていたら、見る見るうちに家族が健康になりました。以前は毎月のように病院のお世話になっていたのに、ほとんど病気らしい病気をしなくなった。やはり食というのは大切なんですね。自分の家族が健康的であれば、その野菜や米をたくさんの人に食べてもらい喜んでいただければ、そう思うとあまり大変さは感じません。」
藤沼さん「それと木稲さんは、有機を目指すと逆に手間が省けるんじゃないかとも言っていましたよね」
木稲さん「そうそう、よく農薬を使わないと葉ものは虫に食べられてしまうというでしょう。実は虫が付くのは不健康な野菜なんです。だから早く土に返してあげようと虫達が食べているんですね。良い土壌で健康的に育った野菜には意外と虫が付かないんですよ」
藤沼さん「農薬や化学肥料を使わずに、美味しくて丈夫な野菜が採れ、しかも高く買ってもらえるんだったら有機はいいですよね。そこまでいくのが大変だけど」
三橋さん「白石さんは赤村の有機農業の基礎を築いた人です」。
白石さん「私は特に有機にこだわっているわけではなく、環境に負荷をかけず、カラダにやさしく美味しいものをと考え実践しているだけです。そして、それを理解してくれる人たちが、正当な評価をしてくれる。つまり無駄な価格競争をしなくても良くなるんですね。自分が納得できるものを作ってきちんとした対価を受ける。農業でこうしたビジネスモデルを確立するのが私の目標で、結果としてそれが有機農業だったというだけで、声高に叫ぶようなものではないと思っています」。
三橋さん「白石さんはすぐにでも有機JAS認定が受けられると思うんですけど・・・」
白石さん「木稲さんが実践されているように、ちゃんとしたものを食べていれば健康になれる。これは何もカラダだけの問題ではありません。ものの考え方や今後の人生にも影響を及ぼしてくるのです。私たちの取り組んでいる農業とはこうしたものなんです。有機JAS認定などという言葉で簡単に置き換えて欲しくない部分があります。それともうひとつ目標としていることがあるので・・・」
三橋さん「他の目標というと?」
白石さん「農業の傍ら、赤村の山林を育てているんです。間伐したり植林したり、掃除をしたり。豊かで健康的な山林は、おいしい水や田畑を育んでくれる源となるのです。自分の田畑のことだけではなく村全体の循環を育てていきたいんです。私はこれを100年の森計画と呼んでいます」
三橋さん「本当の意味での有機農業を実現しようと思ったら、自分のことだけを考えていてもダメだということですね」
藤沼さん「しかし、今までのやり方をそうカンタンには変えられない」
白石さん「私も強制したくなかった。だから特別栽培米の研究会にしても、有機農業の研究会にしても、農業にもいろいろな方向性があるのだと示すに留めてきたんです。あとは自分たちで判断して進めるように」
藤沼さん「若い農業従事者は、今までの継続では良くないと思っています。でもどうすればいいのかがわからないでいる。だから、やはり指導してくれる人がいてくれたらいいなと思います」
木稲さん「若い世代を中心に村中に有機を広げようと思ったら、技術的な部分だけでなく、大きなマインドの部分を伝えられる人が必要になってくるんですね」
三橋さん「有機農業の推進は、人づくりからか。これは時間がかかりそうですね。でも、技術的なことだけではなく心や考え方を大切にした有機農業とは、人情の村赤村にふさわしい有機農業のカタチかもしれませんね」。 |
|